隙間風パラレルライン(2/24)
本番まであと2週間!
— 舞台『隙間風パラレルライン』公式 (@gekidan_sukima_) 2018年2月10日
お席には限りがあります。是非お得な前売り券をご利用下さい!https://t.co/KU8vJfGkbl
★2/24(sat.) 18:30-
★2/25(sun.)13:00-/17:00-
※前売り料金¥1,000は当日ご用意ください。 pic.twitter.com/41iwvX3stQ
行ってきました。皆様お疲れ様でした。
全体としてはとても限られた資源の中で頑張っている、という思いが伝わってきました。
ただ、それでももう少しよくなるといいな、と思ったところがいくつか見受けられました。
アンケートにも少しだけ書かせて頂いたのですが、それだけでは言葉足らずに終わってしまったかもしれない…と反省しているため、今後のためになれば、とメモをここに置いておこうと思います。
(以下は全て私の主観であり、当然それ以外の感想も十分にありえます)
演劇に詰め込むべきではない量の台詞を詰め込んでいる
もしかしたら、本来は小説にするべきものを演劇にコンバートした結果でしょうか。(キャラ設定的に不自然なキャラも含め)ほぼ全員が喋りまくっており、説明口調が多すぎるという印象を受けました。
もしかしたら、舞台装置や時間の都合上、背景やキャラの動きで説明しきることが難しかったため言葉で説明せざるを得なかったのかもしれませんが、まずこの部分が気になりました。
「ある」としていたテーマが劇中で表現されていない
事前の宣伝において、短編集で1つのテーマがあることをはっきり打ち出しつつ、「繋がり(6次の隔たり)」というテーマが演劇で説明できていたかというとちょっと厳しかったように思えます。
前の章から次の章における繋ぎは世界が何かしらの意味で繋がっていることを微かに暗示するに留まっており、観客(私)は「では、最後に今までの話を全て繋げるエピソードが入るのだろう」と考えておりました。
ただ、最終的にはそのようなエピソードが挿入されることはなく、そのまま全体で(突然はしゃいだ雰囲気で)エンディングを歌って終演したことで、最終的な回収が行われずに物語が終わってしまったような印象を受けました*1。また、そもそも一部の章間の関連性については説明されてようやく「そうなの?」と分かるレベルの関連度合いであったことから、(あくまで個人的にはですが)繋がりを見出すこと自体難しい箇所があったかもしれません。
そして何よりも、仮に登場人物全員が「6次の隔たり」として繋がりがあったとしても、ただ「なんとなく繋がっている」だけではなく、この繋がりが物語においてどのような役割を果たし、物語中のどのような「課題」を解決してくれるのかがきちんと表現されていないのであれば、テーマとしての意味があったかどうかははっきり言えないのではないか、と考えております。
まとめると、今回の演劇において「繋がり」はテーマとして掲げるには説明が不十分で、掲げることで却って解釈のミスリードが発生し最後に消化不良を起こす原因になりかねないのではないか…という恐れを感じています。
物語として尺が足りない
前述通り、最後全体の回収が入るかと予想していたものの結局回収されなかったことで、結果として各章にある程度の物足りなさを感じてしまいました。
こちらも人員的な都合(みんなでやりたい、各人が練習する時間を確保できない)があるのかもしれませんが…。
幹の部分に力を入れて欲しい
そういえば前ボスから論文の書き方についてこんな指導を頂いたことがある。曰く「論文は、魔王の紹介→世界を救う方法を見つけました→世界は救われた!とスムーズに読み進められるようなアウトラインにすべきで、勇者の故郷の鍛冶屋のおばちゃんの得意な料理みたいな話題に立ち寄ってはいけない」と。
— sho_yokoi (@sho_yokoi) 2016年1月28日
たとえば公式Twitterなどでは、どちらかと言えば「枝葉」に当たるような、マニアックなレベルのキャラクター紹介が行われているように感じられました。
「キャラクターに意外な設定のギャップがある」というのはある程度はスパイスとして有効ですが、実際の演劇においてもかなり細かい設定に対する言及が多かったため、結果として「幹(世界観・テーマ)」への焦点がぼやけてしまったように感じられました。
良い所もあった
ここまでつらつらと書いてしまいましたが、もちろん良い所・面白かった所もありました。
たとえばChapter1の謎のふたりはいい感じに謎でしたね。あるいはChapter3のすれ違いをスライドで表現しようとするのはかなり頭のいい試みだと思います。
まとめ
もちろん部分的には面白いパートもありました。それでも、「やりたいこと」に対して人員・時間・金銭諸々の折り合いがつかないことが積み重なった結果、全体的な完成度に響いてしまった、という印象を受けました。
だからといって人的資源を増やす、というのはそう簡単にはできないと思います。たとえば、メンバーのキャパを把握した上でそのキャパに収まる範囲でしっかり練って表現していく、ということが大事なんじゃないかと思いました。
それでも「仕事など諸々の事情があっても(比較的重たい)趣味を両立できる」というのはそれだけでも価値があることだと思います。だからこそ、皆様の今後がより良い方向に向かうことをお祈りしております。